ギリシャ旅行記(後編)

5/14(火): デルフォイ観光

 

さて、この日はコリントスへ行こうと思っていたのだが、前日のバスでコリントスの横を通り過ぎてしまい、なんとなく、もう一度同じ方面へ向かうよりも、全く別の方へ行ってみたくなってしまった。そこで、急遽前夜にデルフォイに行くことにしたのだった。

そのため、前々日の情報収集の際、デルフォイへの行き方は全く調べていなかった。しかし、ネットの情報によればアテネの2つのバスターミナルのうち、Liosionというターミナルの方に向かえば良いらしいということがわかり、これで満足してしまった。

 

   * * *

 

この日は30分以上は余裕を持って到着することができた。往復のチケットを購入し(32€と思ったより高かった)、バスへ乗り込む。

途中休憩をはさみつつ、バスはだんだんと山を登って行く。前日のミケーネ行きのバスとは少し風景が変わってくる。山肌をなぞるようにして、ゆっくり登って行く。

 

3時間ほどでデルフォイに到着。デルフォイはミケーネとは違い、ホテルも土産物屋も複数あり、少し観光地化していた。とはいえ、かなりの田舎、というより山の上に取り残された集落というような印象を受ける。

予報は雨だったが、曇りときどき晴れという感じで、暑すぎずちょうどいい天気だったのは幸いだった。

 

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バスを降りたあたりから。

 

朝から何も口にしていないので、ひとまずタベルナを探す。道を歩いているといくつかタベルナがあるのだが、どこもあまり安くない上に客引きがしつこい。客引きがしつこいっていうことは、客が寄り付かないような店だっていうこと。店の中をのぞいて見ると、案の定誰もいない。昨日のフィクティアのタベルナを懐かしく思い出すとともに、デルフォイの残念な部分を垣間見た悲しみを感じる。

しばらく歩き、適当なタベルナに入店。

正直、今回の旅行の中で一番印象に残らない食事だった。やっぱりデルフォイは観光客慣れしてるのか?適当な料理出してんのか?なんかそんなことを勘繰ってしまった。ちょっと高かったし。

 

店を出て、遺跡へと向かう。ちょっと悪い印象から出発したデルフォイ観光だが、歩いてみると魅力的な街だとは思う。街というか、集落が山肌にしがみついているような格好だ。そんなわけで、坂や階段がたくさんある。

 

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少し坂を登ったあたりからの眺め。

 

遺跡への道案内などは特に何もない。やはり観光客はほとんどツアーで来ていたようで、個人の観光客にとってはちょっと大変だった。適当に歩き回っても見当たらず、Google Mapで探した道は行き止まり。たどり着くまでが一苦労だった。

 

   * * *

 

例によって遺跡については写真の方が雄弁に物語ってくれるだろう。

デルフォイは、「デルフォイの神託」でも知られる古代都市。

 

 

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「世界のへそ」。

 

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アポロン神殿の遺構。ここで「デルフォイの神託」が行われていたのだとか。

 

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劇場跡。奥にあるのがアポロン神殿。こうして見ると、デルフォイの遺跡が山肌にしがみつくようになっているのがよくわかると思う。

 

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競技場跡。古代オリンピック競技が行われていたらしい。

 

遺跡を見終わった時点で、1時間ほど暇があったので、バス乗り場近くのカフェへ。結構高かったのだが、テラス席の景色が(無駄に)めちゃくちゃ良かった。カプチーノを飲みつつバスを待つ。

 

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カフェからの眺め。

本当に絶景だった。

 

定刻を15分ほど過ぎてバスがやってきた。バスに乗り込み、3時間ほど同じ道を揺られてアテネに帰る。

 

   * * *

 

さて、これがアテネでの最後の夜である。ギリシャではぜひシーフードを食べて帰りたいと思っていたのだが、未だありつけていなかったので、今夜は必ずシーフードを食べるのだという強い信念を持っていた。

 

というわけで、ちょっと人気店っぽいタベルナに入店。メニューを一読し、タコのグリルを発見。即決した。

ところが、注文したところ「今日はもうなくなった」と言われてしまった。というか、シーフード系がほぼないらしい。

どうしよう。シーフードは食べたいが、ここで退店するのも少し失礼な気もする。けれど、今日を逃すともうタベルナに行く暇はない……。そんなことを束の間考えたが、当座腹が減ってしまっており、もう一度タベルナを探そうという気力もなかった。結局、妥協して「クレタカルボナーラ」を注文する。

 

不本意な注文ではあったが、腹が減っていたのでやけに美味しく感じた。本当に美味しかったのかもしれない。それに、このパスタは結構お腹にたまった。

 

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写真も雑。疲れていたのだろうか?

 

満腹感と失望の入り混じった複雑な気持ちで宿へ向かっていると、あるタベルナの看板が目に入った。シーフードが売りのタベルナらしい。

今日はもう食べられないが、明日の昼に時間をつくって食べに来れないだろうか…?そんなことを考え、お店の人に確認。

 

「明日の昼は空いてるよね?シーフードちゃんとあるよね?」

 

先ほどの「シーフード売り切れ」がトラウマだったので、何度も確認する。どうやらあるらしい。必ず明日ここに来るという決意を固め、再び帰路についた。

 

アテネ最後の夜は予定通りいかなかったけど、無事デルフォイに行けたことへの安堵に包まれ、ともかくも宿に帰り着いたのだった。

 

 

 

5/15(水): エピローグ、 アテネ市内観光とイカフライ

  

最終日は、まだ見れていなかったアテネ市内の史跡を巡ることにしていた。古代アゴラやゼウス神殿に加え、アクロポリス博物館にも行く予定だった。

 

   * * *

 

朝、まずはアクロポリスを再訪。人がいない時間帯にパルテノン神殿をもう一度見たかったのだ。結果的に、人はそんなに少なくはなかったのだが、前回(日曜日)に比べて少し落ち着いて見学することができた。

 

 

パルテノン神殿から下りて、古代アゴラへ。ここはそれなりに有名なはずなのだが、時間帯的にツアー客がおらず、貸し切り状態だった。

 

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木々が多くてわかりにくいのだが、古代アゴラ。奥にはアクロポリスが見える。

 

次にアクロポリス博物館へ。ここはかなり新しい博物館だったのだが、個人的にはちょっと微妙だった。というか、エンターテイメントに振ってる感じで、あまり好きではなかった。ちなみにここも当然無料。

  

そして、ゼウス神殿。柱が高い。

 

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ゼウス神殿。現在は柱がいくつか残るのみ。

ちょっと「遺跡疲れ」している身だったので、劇的な感動はもはやなかったが、もし全ての柱が残っていたら壮観だっただろうな、としみじみ。

 

   * * *

 

史跡巡りのスケジュールを全て消化し、残すところはシーフードである。例によって朝食はとっていなかったので、ちょっと急ぎぎみに昨日目をつけていたタベルナへ。

店についてみると、ちゃんと営業していた。よかった。

 

 

メニューを一読する。シーフードのラインナップは充実している。というか、肉がない。全部シーフード。逆にすごい。

タコのマリネとイカのフライを選択。昼だったし自重しようと思ったのだが、後悔先に立たずと自分に言い聞かせ、白ワインをいただく。

 

 

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こんな感じ。

 

タコの方も美味しかったのだが、イカのフライが絶品だった。まず、熱々の状態でサーブされたのがよかった。イカそのものも美味しい、っていうか甘い。量は多めなんだけど、胴も足も耳もいたから飽きない。各部位のサイズから見るに、おそらく小さめのイカを丸ごと使っているのだと思う。

 

 

そんなわけで、ギリシャでの最後の食事は大満足であった。このあと宿に戻って荷物をピックアップしてから空港へ向かい、帰りの飛行機に乗ったのだった。

 

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後編はあっさりめでしたが、最後まで読んでくれてありがとうございます。他の行き先の旅行記も書けたらいいけど、時間もなくて無理そう。ひとまず、残りの日程を無事に終えて帰ってくることを目標にして、最後の1ヶ月を過ごそうと思います。