2020-01-01から1年間の記事一覧

展示「デイジーチェーン」(TOKAS)の感想メモ(石塚まこ、高石晃)

昨日、「トーキョーアーツアンドスペース(TOKAS)」で行われていた「デイジーチェーン」という一種の成果発表展を観に行った。印象に残った作品が2つあったので、紹介を兼ねて感想を書き留めておく。 1つは石塚まこによる展示。彼女のHPはこちら。作者自身に…

罪責性と倫理について

・「罪責性」とは何か。僕はおおよそculpabilityのことを念頭に置いているが、二つの概念の間には微妙な相違がある。 本来適当な訳語は「有責性」というほどのことなのだろうが、「有責」という語からは「責」を負わせる側と負う側の対立関係を連想させるし…

『うたのはじまり』についての覚え書き

『うたのはじまり』という映画についての私的かつ部分的な感想。 この作品は難聴の写真家である齋藤陽道氏と「うた」をめぐるドキュメンタリー。映画の包括的な説明をするつもりはないのでそれ以上何も書かないでおく。 書いておきたいのは、作品中で最も印…

「切迫」についてのメモ

あるとき、音楽における切迫性というものについて考えた。その際に「切迫」という語について調べ、その概念について考えてみた。以下はその覚え書きである。 * * * まず広辞苑を引いてみた。曰く、「①非常にさしせまること。 […] ②おしつまること。 […] ③…